みなさん、こんにちは!
コネクトシスターズのYukiです😊
9月のテーマは[Ambition]日本語に訳すと、「野心」「熱望」「大志」などの単語が使われます✍️
コネクトシスターズのガールズ・リーダーシップ・プログラムでも、[Ambition]をテーマにしたクラスを実施しています📖
早速、ガールズ・リーダーシップの視点から、今月のテーマを考えてみましょう!

[Ambition]ってなに?
すでに述べたように、Ambitionという単語を辞書で引くと、「野心」「熱望」「大志」という言葉で訳されています。もちろん、それぞれの日本語の意味を広辞苑などの国語辞書で調べることもできますが、このブログでは学術論文で定義されたものを紹介します。とある学術論文には、以下のように[Ambition]を説明しています。
ambition can be defined as “the persistent and generalized striving for success, attainment, and accomplishment” (1) (2)
(和訳:[Ambition]とは、「成功、達成、実績に向けた、持続的かつ一般的な努力」と定義できる。)
この定義を読んだ時、私が思っていた[Ambition]よりも柔らかい印象を受けました。これまで、私自身、[Ambition]なんて持っていない、無縁のことだと思っていました。しかし、この定義を見た時、「こういうことなら、私もこれまで[amibitious]だったかも。」と思うようになりました。
この定義を紹介している論文では、[Ambition]はキャリアに関することだけではなく、人生を形作る様々な要素(例えば、キャリア・家庭・趣味など)に対しても表現できると述べています。(1)そして、達成するのが難しく、継続的に努力が必要なものであることも言及しています。(1)

[Ambition]とジェンダー
このブログ記事を書くにあたり、いつものようにGoogle Scholarでリサーチをしたところ、最初に出てきた記事のタイトルが目に入りました。そのタイトルとは、すばり “Do Women Lack Ambition?”(3) ただ、この記事は2004年、ハーバード・ビジネス・レビューという経営学誌に紹介されたものです。「20年も前ならかなり古いかも」と思いながら、読み始めました。ところが、この記事を読んでいて、ドキッとしたり、ハッと気付かされたりする箇所がありました。今現在の自分自身や日本の社会とリンクすることがあったからです。
精神科医である、この記事の執筆者は、様々な女性たちにインタビューすることで、彼女たちが[Ambition]という言葉を避けたり、嫌ったりすることに気づきます。その理由は何かと考えた時、彼女たちは、[Ambition]という言葉には、自己中心的・自分本位・自己顕示欲・自分の目的のために他人を利用する行為、という意味が含まれていると思っており、誰も自分が[ambitious]と認めないだろう、と述べています。(3)
これらの言葉は、世間が思う「女性らしさ」とは真逆のものですし、そういう「女性」に思われたくないと感じているからかもしれません。この記事では、上院議員の女性たちのインタビューを例にあげ、多くのキャリアで成功した女性が自分の成功を「幸運 (luck)」があったから、と言っていたことを紹介しています。(3)謙虚さや周囲との調和を重んじる女性にとって、自分自身にスポットライトが当たることを避けようとすることに言及しています。(3)
この箇所を読んで、ドキッとしました。私自身も今まで[ambition]という言葉を聞いた時、似たような意味(例えば、「ガツガツしている」「アグレッシブな態度」など)をイメージしていたからです。そして、私も潜在的に「女性らしく振る舞う」ことをしていたことに気づいた瞬間でした。
この記事では、[Ambition]を成り立たせる、2つの切っても切り離せない要素を考察しています。1つはスキルの熟達(“mastery of skills”)、もう一つは承認・認めらること(“recognition”)、です。(3) 記事の執筆者は、1つ目の要素(スキルの熟達)は[Ambition]の根底と述べていますし、熟達には継続的な学び(learning)が必要です。(3) この学びをずっと続けるためには、少なからず、他者からのrecognitino(承認、認められること)がモチベーションとなるため、この2つを “two faces of ambition”(アンビションの2つの顔)と表現しています。(3)
この記事では、子どものころには女子も男子も同じように、はっきりとした[ambition]を持っているが、なぜ女子は成長するにつれて、[ambition]を手放したり、抑えたりするようになるのか、というディスカッションを展開していきます。(3)そして、女子・女性は、男子・男性よりもrecognition(褒めらる・承認・認めらる)が少ない・低いという研究結果が紹介されています。(3)
この記述を読んだ時は、さすがに「やっぱり20年前の記事だな〜」と思いつつ、最近はどうなのか調べて見ました。すると、2022年に発表された学術記事を読むことができました。この2022年の学術記事は、72カ国の500,000人の学生を対象に行われた調査です。この調査結果によると、男性の方が女性よりも賢く、才能があるというステレオタイプは存在し、特に、成績優秀な生徒や先進国・ジェンダー平等を推奨している国が、そういうステレオタイプを強く持っている、となっています。(4)
「なぜ女子は成長するにつれて、[ambition]を手放したり、抑えたりするようになるのか」このディスカッションの結論は以下の部分に集約されていると思います。
A lack of appropriate affirmation of accomplishments in combination with threats to women’s sexual identity inevitably lead to demoralization.” (3)
和訳(成果に対する適切な肯定の欠如が、女性としてのアイデンティティへの脅威が組み合わさると、必然的にやる気・士気の低下につながる。)
この分析に賛同するかしないかは、別として、社会構造が影響しているという視点が興味深いです。
最近の研究(2022年)でも、仕事を始めたばかりの若い女性も、男性と同じくらいleadership ambitionを持っているが、仕事を続けるにつれて、そのambitionがだんだん薄れていく、という結果がでています。(5)もちろん、この研究はleadership ambitionに限定されていますが、20年前の学術記事と変わらず、なぜこのような現象が起こるのか、このことが女性の可能性を制限していないかの研究は続きそうです。

最後に、ドイツの10代を対象とした、職業に関する願望の研究(2021年)を紹介します。(6) この研究では、女子生徒の方が、男子生徒よりも職業に関する願望(「将来、この仕事がしたい!」と思うこと)が強いという結果が出ています。(6)ただ、なぜかそれと反比例して、女子生徒の職業上の達成度は低くなるということもわかっています。(6)この論文では、教師や進路指導カウンセラーが、女子生徒の願望や目標を明確にさせ、それを達成していくことに必要なスキルが身につけるようにサポートできる、と述べています。(6)
私は、「願望や目標を明確にする」ということは、自分のやりたいことを言語化していくことだと思います。「小児科医になりたい。」「バレーボールの日本代表になりたい。」「市長になりたい。」この夢や目標に向かって、長い道のりを絶えず努力していくこと=ambitionを応援したり、支えることが、家族や学校のみならず、社会でできればと思います。
コネクトシスターズのYoutubeにも、Ambitionと関連した動画をアップ予定です💻
https://www.youtube.com/@connectsisters/videos
ぜひチェックしてみてください✨

References
- Hirschi A, Spurk D. Striving for Success: Towards A Refined Understanding and Measurement of Ambition. Journal of Vocational Behavior. 2021 Apr;127:103577.
- Judge TA, Kammeyer-Mueller JD. On the value of aiming high: The causes and consequences of ambition. Journal of Applied Psychology. 2012;97(4):758–75.
- Fels A. Do Women Lack Ambition? [Internet]. Harvard Business Review. 2004. Available from: https://hbr.org/2004/04/do-women-lack-ambition
- Napp C, Breda T. The stereotype that girls lack talent: A worldwide investigation. Science Advances. 2022 Mar 11;8(10).
- Beaupre JG. To lead or not to lead: exploring how young women’s early career experiences impact their leadership ambition. Gender in Management: An International Journal. 2022 Aug 1;37(8):1064–79.
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